【ワイブル分布】熱真空試験のサイクル数
人工衛星は軌道上で動作するため,高温と低温の環境を交互にさらされる. 軌道上に打ち上げてからテストしても直すことが出来ないため,地上で熱真空環境を作り出しテストを行う.
この試験を行うとき,高温低温を1サイクルとして,試験を何サイクル行うべきか迷う. そんなときに参考文献[1]が役に立った. このブログでは,ワイブル分布の使い方に注目して導出を追ってみる.
今回は,なぜワイブル分布を使うのかというところまで記述している. 尺度パラメータ と形状パラメータ の2つのパラメータと確率変数 を用いて確率密度変数(PDF)は と表せる. とりあえず式だけみても意味がわからないので,図示をしてみる.
自分で書くのも面倒くさいのでChatGPTに頼み,各種パラメータにおけるプロットを1つの図に示した.
グラフから がわかる(まだ他はよく分かってないので割愛) 念のため,コードを示しておく. 式と図を書いても何となくしか分かりませんが,とりあえず以下のように考えればよさそうです. ある時間 で故障する確率 参考文献1の内容に入っていく. 尺度パラメータ と形状パラメータ を用いて確率密度関数 は と求めることが出来ます.
なお, で であることと,以下の微分を使って累積分布関数 を求めました. ある時間 まで故障しない確率は, 以上で故障する確率を足し合わせたものと考えられそうです. 参考文献[1]の式(4.2.2-2)がこの考えから求めることが出来ます. と求められます. この考え方だと, を計算した というのは,全体確率から信頼度を引いたものと言えそうです. 信頼度 は, で であり,時間とともに徐々に減少していく. ここで,単位時間の故障率(瞬間故障率) というものを とする.式からわかるようように,指数関数についていた係数部分が瞬間故障率となっている. 瞬間故障率から以下のことが分かる 人工衛星の試験を行うとき,体感的によくあるミスは単純な人の手によるものである. このロケットに搭載してよいかなどを試験するときに,どんなエラーを確認したらよいであろうか. また,参考文献[1]の図4.2.2-4のように軌道上での運用日数と不具合の累積検出率がワイブル分布の累積分布関数に類似している. これらのことからワイブル分布を使うようである.(自動車などでも同じだと思うが,どうなのかまた調べてみる) [1] JAXA, "環境試験信頼性要求ハンドブック”,https://sma.jaxa.jp/TechDoc/Docs/JAXA-JERG-2-130-HB006_N1.pdf
[2] https://engineeeer.com/hatena-markdown-python/
[3]LATEXチートシート - 数式記号の読み方・表し方 - SHOYAN BLOG
[4] はてなブログでTex記法を使って行列を書く時の注意点 - 医療職からデータサイエンティストへ ご覧いただきありがとうございます. もしよければ,X (Twitter)とnoteのフォローをお願いします. はてなブログの内容をまとめております.
1.概要
文書中ではワイブル分布を用いており,最終的にスクリーニング率を99.9%にするためには8サイクル以上行う方が良いといったことが記載されている.
2.目的
3.ワイブル分布とは
3.1.式
3.2.グラフ
3.3.コード
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import weibull_min
# ワイブル分布のパラメータを設定
c_values = [1, 2, 5] # 形状パラメータ
lambda_values = [1, 2, 3] # 尺度パラメータ
# グラフの設定
x = np.linspace(0, 5, 1000) # x軸の範囲を設定
# パラメータを変えてワイブル分布をプロット
plt.figure(figsize=(10, 6))
for c in c_values:
for lambd in lambda_values:
pdf = weibull_min.pdf(x, c, scale=lambd) # ワイブル分布の確率密度関数を計算
label = f'Weibull (c={c}, λ={lambd})'
plt.plot(x, pdf, label=label)
plt.title('Weibull Distribution with Different Parameters')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('Probability Density')
plt.legend()
plt.grid(True)
plt.show()
3.4.式の意味
4.信頼性モデル
4.1.ワイブル分布(再掲)
しかし,ワイブル分布のパラメータ変数が違ったのでもう一度ワイブル分布を示す.
4.2.故障しない確率
つまり, で確率密度関数を足し合わせたものと考えられそうです.
信頼度 は,
なので, を不信頼度 と呼ぶそうです.4.3.故障率
逆に不信頼度 は, で である.
4.4.なぜワイブル分布を信頼性モデルとして使うのか
衛星を打ち上げる前に,受入試験(AT)などを行う.
これはロケット側に影響がないかや本当に起動で動作できるのかを確認する.(例えば,ロケットで急に爆発でもしたら大変である)
* 上述したようなワークマンシップエラーや材料や部品の不良(欠陥)→いわゆる初期不良
を確認したくなる.
5.まとめ
6.次回
参考文献
おわりに